沼隈町出身の山本瀧之助は、明治から昭和初期にかけて活躍した社会教育・青年教育の指導者で、全国の青年たちの育成に一生を捧げ「青年の父」「青年団の生みの親」として尊敬された郷土の偉人です。
瀧之助が青春を過ごした頃は、憲法発布や国会開設など近代的な国づくりが進む激動の時代であり、都会の学生や書生などは自分も活躍したいと勉学に励んでいました。しかし、地方の青年は世の中の動きから取り残され、将来に希望の持てない暮らしを送っていました。
これを見た瀧之助は、「青年の大多数を占める地方の青年こそ国の根幹をなす存在」と主張し、青年団の結成と全国組織化を進め、結束と修練の必要を説きました。また、上級学校へ進学できなかった青年の学びの機会や全国巡回青年講習会などを取り組み「学び続ければ君の人生は輝く」と、励まし続けました。
こうして、瀧之助の教えを受けた多くの青年が、自分の境遇と向き合い、夢や希望に向かって努力する暮らしを取り戻したのです。
瀧之助の功績は、今も私たちの生き方や価値観に通じ「人づくり」や「まちづくり」の基礎となっています。
沼隈町には生家や頌得碑、山本瀧之助記念室など、ゆかりの地が多くあります。これらの場所には標柱や説明版があり「瀧之助ふれあいロード」として訪ねることができます。
山本瀧之助記念室
住所 福山市沼隈町常石1810(沼隈図書館 内)
時間 10:00~19:00(土・日・祝は18:00)
休日 図書館休館日
交通 JR福山駅南口からトモテツバス新川線(時刻表)
「ハーブガーデン前」下車 徒歩3分(トモテツバス TEL 084-952-3700)
駐車場 あり